昔の自営業者の 老後の生活状況
自営業者には、定年退職はありません。
仕事を辞めても公務員のように
市や、国が恩給をくれるわけでも
退職金をくれるわけでもありません。
事業をやっている時には
各種の税金を払ってきたわけですから
廃業したら
市や国が公務員同様に恩給をくれてもいいと思います。
これは差別ではないかと思うこともあります。
では、自営業者は 高齢になり
働けなくなった場合や、
仕事がなくなって廃業した場合
どうやって生活して行けばいいのでしょうか?
昔は、親の仕事は
その家の息子が継ぎました。
親は、高齢になっても
後を継ぐ息子がいるので、
指導したり、
顧客とのつなぎ役などをしたりして、
事業の補助をしていました。
肉体的な負担を減らして
経験や知識に基づいた働き方ができたので、
高齢になっても
仕事をして収入を得ることができたのです。
しかし、現在の状況はこれとは違います。
自営業者の子供が、就職する年齢になる頃には
親のやっている個人経営がだめになってきたので
親の仕事を継がず、
会社員になっている子が多いようです。
親の事業の後を継いでも
生活できないと思っているし、
職業の選択も色々できる時代になったのです。
一流大学に行った子供は、
大きな仕事をしたいと思って
大企業に勤める人達も多いようでした。
その為、跡継ぎがいない自営業者はたくさんいます。
国民年金では 生活できない
個人事業者は65歳になると
国民年金をもらうようになりますが、
国民年金だけの収入では
生活できるわけがありません。
満額もらっても約70万円です。
実際には皆がもらっている額は
50万円位だそうで
こんな少額では
1年間生活できるわけがありません。
高齢になってから廃業した場合、
生活できなくなってしまいます。
後継者がいれば、
跡取りの息子をサポートして収入を得られますが、
跡取りもいなく、廃業しただけでは
廃業後の生活を考えなければいけません。
昔の個人業者は 稼げた
以前に廃業した昔の自営業者の方々は、
廃業しても、お金を持っていたり、
収入になる不動産を持っていたりしました。
昔の自営業者は事業に成功している人が多く、
お金を持っている人達がたくさんいました。
その人達は、
現役時代に、貯金もたくさんできました。
土地も若い時に買っていて、
辞めるころには土地の値段は上がっていて
それを売れば大金が入ってきていました。
アパートも少ない時代だったので
アパートをやっている人達は
家賃収入も入ってきていたし、
土地は他の会社に貸し、
地代収入を得られていました。
その為、事業を廃止しても、
お金には困っていなかった人が多かったと思います。
今の自営業者は 稼げない
今60歳位の自営業者で
廃業に追い込まれている人達は
たくさんの貯金や、
安く買った不動産を持っている人は
少ない気がします。
老後の貯金も、収入を産む資産を持っている人は
ごくわずかでないかと思います。
今儲けが少なく、これから歳をとって
廃業を考えている個人経営者の方は
老後の生活はきびしくなると思います。
老後が心配! 子供達に負担はかけられない
もうすぐ私も高齢者になります。
私だけでなく多くの中高年者が、
もうすぐ子供のお世話になってしまうことになる
と思います。
通院したり、施設に通ったりするでしょうが、
こういうことも
子供にしてもらうことになるかもしれません。
その負担は相当なものです。
さらに自営業者の場合、
国民年金しか収入がないと、
お金の負担も
子供達に追わせてしまうことにもなりかねません。
高齢になった方の生活相談に乗ると、皆が言います。
「子供に迷惑はかけられない」
「子供だって生活が大変なのに、
親のことで負担はかけられないよ」
「せめてお金で苦労させないように考えている」
資金や資産がある人は、
保険の受取人を子供にしたり、
お金に替えられる不動産の受取りを
世話になる子供のものになる遺言を書くなどの方法を
考えています。
しかし、廃業した後は、なにもなく
国民年金しかない人はどうしたらいいのでしょうか?
廃業後の生活費に
廃業した工場を売って退職金代わりにするか?
廃業した店舗を売って、退職金にしたいですが、
街中の店舗は、小さくてなかなか売れません。
田舎の資材置き場でも
安くて売る気になれないでしょう。
廃業した後の工場や店舗の利用し
空き地をどうにかして
老後の生活資金に変える必要があります。
資産がない人は、
今の自分でも雇ってくれる仕事先をみつけるなど
少しでもお金になる方法を考える必要があります。
老後の事も
周りの同業者に相談してみるといいです。
みんなどうやって
老後、廃業後の生活をしているのか聞いて、
自分にできる老後の廃業対策を
早く始めるといいです。
周りの状況を見ると、
老後に生活が苦しくなる恐れのある自営業者が
たくさんいるような気がします。