田舎町に 大資本のスーパーが出店した時
大きなスーパーが、田舎街に出店すると、
その近くで、今までやっていた個人の食料品店は
なくなってしまいます。
近所のお客さんは、
新しい大きなスーパーに買い物に行ってしまいます。
資金力のない個人の食料品店は
やがて閉店に追い込まれてしまいます。
そして、その田舎町も数年経って、
人口が減って客がいなくなり、
儲からなくなる場合があります。
大手が出資するスーパーは、儲からなくなると
わりとすぐに撤退してしまいます。
スーパーが撤退した後は、
もうその近くにはお店はありません。
近所の人は買いものに困ってしまいます。
大手には
そういう責任を持ってほしい場合もあります。
そんなことが
栃木県や群馬県でも実際にあるようでした。
辞めない田舎の食料品店
田舎の方に行くと、
「この先にもうお店がない」
「うちのお店がなくなったら、
近所の人達が買い物ができなくなっちゃう」
こんなことをテレビで見た記憶があります。
ここまでではないのですが、
これと同じようなことが
栃木県の方でもありました。
年配の夫婦が、
青果店のような雑貨屋のような
食料品店を営んでいました。
そこは木造の、とても古い感じのお店です。
そのお店は、
近所の高齢の人達の為の、
食材を売っていました。
昔から近所の人達の為に商売をしてきた
そのお店は、50年以上前からやっていたようで
昔から近所の人達に食品を売っていました。
そんな近所の人達も、
もうかなりの高齢になってしまいました。
お客さんも
古びたお店と一緒に時を過ごしてきた感じです。
高齢者が、徒歩で行けるような食品スーパーは
その近所にはあまりないようでした。
大きなスーパーは隣町まで行かないとありません。
その食料品店は、繁盛していなかったし、
経営者は高齢になったのですが、
近所の人達の為に辞めないでいました。
店主の奥さんは言います。
「うちが辞めたら、
近所の年寄りたちは、どこに買いものにいけばいいんだい?
ちょっとしたスーパーが近所にもあったけど、
もうやめちゃってないんだよ。
大きい店は儲からなくなると、すぐに辞めちゃうからね」
「大きなスーパーができたら、
ちっちゃい店はすぐになくなっちゃうよ。
お客は、みんなとられちゃうもん」
「それで、儲からなくなったら、すぐに辞めちゃうもんね」
「そしたら近所に店なんかないよ」
「この辺の人は、どうしたらいいんだい?」
「もし、うちも辞めちゃったら、
ここら辺の年寄りは、食材が買えなくなっちゃうよ」
「バスで隣の市まで買いものに行くったって、大変だよ。
荷物抱えてバスに乗って帰ってくるのも
年寄りにゃあ できやしないよ」
「だからやるんさ、しかたねぇ」
「近所の人とは昔からの付き合いだからね」
お店のおばさんは、そう言っていました。
この古くて小さい食料品店は、
全然儲かっていないようですが
やりがいを感じていたので
経営し続けていたようでした。
人に必要とされ、やりがいを感じられれば、
儲からなくても楽しく続けられるのかもしれません。
地域と、お店との関係を考えて 営業を続ける
このお店は
近所の人達の憩いの場所でもあるようです。
お店の中に、古い椅子がいくつかおいてあり、
いつも誰か買い物に来たついでに
店主夫婦や買い物客通しで
ちょっとしゃべって帰ります。
近所の高齢者の方のおしゃべりの場所のような、
休憩所の役目や
元気確認の場所でもあるような感じでした。
昔の商店はこんな感じで
近所の人達と密着して営業してきたんだなあ
という感じがしました。
ずっとやっていて欲しい食料品店です。