銀行員は お金を貸す仕事
銀行は 誰かにお金を貸して、
利息を取って成り立つ商売です。
お金があっても、持っているだけでは
利益は生みませんから、
そのお金を何かに利用しなければなりません。
その利用方法の一つが、事業を営んでいる一般の会社に
お金を貸し付けることです。
その貸付けの際に、
貸す相手が どんな会社なのかを知らなければ
お金を貸すことはできません。
決算書で融資の判断をする(返済能力)
先ずは、キチンと返してくれるかどうかの判断として、
収入を考えます。
それには、貸付先の会社の決算書を見ることになります。
借入の際銀行は、決算書の提出を求めますが、
それは、その会社が税務署に提出している
法人税の確定申告書とその添付書類です。
確定申告書の中に決算書が含まれていますが、
決算書とは、貸借対照表、損益計算書などのことを言います。
損益計算書は、会社員で言えば、
給与所得の明細を一年間分集計したようなものと、
家計簿に書くような生活費の集計です。
ここから、返済に回せる資金が
どのくらいあるのかを知ることができます。
貸借対照表は、財産の一覧表ですから、
万が一返済されなかった時の為の
担保があるか否かを知ることができます。
しかしその金額は、簿価なので、
評価額を算出しなければなりません。
また、資産があっても
負債があまりにもある場合には、
その会社の資産は
既にほかの人の担保に供している場合があるので、
後からお金を貸した銀行には、
担保価値がない場合もあります。
内訳書などには
取引先、仕入先、外注先の
決算日における債権債務の額が書いてありますから、
そんなところからも返済能力をしるすべはあります。
決算書を見るには、簿記や民法の知識が必要になります。
そして、他人が作った決算書を把握することは難しいので、
銀行員が決算書の内容を理解するには
その作成者に不明点をよく聞くといいです。
社長の人柄も 融資の判断の一つ?
その企業の担保価値や返済能力を知るには、
税務署に出している決算書という
数値的なもの、物的なものだけで
判断しきれない場合もあると思います。
融資を申し込んだ時には、
財産がなくても、利益がなくても、
いい会社であるかもしれません。
今後よくなる会社かもしれません。
機械や建物がなくても商売ができる会社の場合には、
決算書には資産が計上されていないでしょう。
すると担保物がないことになってしまいます。
これでは融資できないことになりそうです。
でもこういう会社の方が
原価が少ないので利益は出やすいです。
(融資の時には、保証協会に保証料を払うので
担保がなくても融資できるでしょうけど)
融資の申し込みの時には、利益がなくても
この先に多額の利益を生み出すかもしれません。
もちろんその逆もあるでしょう。
その判断として、経営者の事業に対する姿勢とか、
人柄とかも考えられますが、
その判断は、色々と社会経験を積んできた銀行員でないと
できないと思います。
その会社が成功するのかどうかなんてことは、
大変難しくてわかりません。
見た目ではわからない
お金を貸してもいいかどうかの判断の材料として、
経営者だけでなく、配偶者やその家族とも
会って話してみるべきです。
パッと見て、この人稼げそうとか、
お金持ってそう と思うこともありますが、
実際にはわかりません。
私は、経営や相続の相談を受けた時に、
この人 こんなにお金持っている人には見えない!
と思える人に 時々会うことがあります。
人は、見た目では全然わかりません。
会話しても 私にはわからないこともあります。
銀行員は、お金を貸すことが仕事です。
どんな人にお金を貸すかの判断は
とっても難しいと思います。
銀行員も、常に色々なことに関心を持ち、
多くのことを学ぶ必要があると思います。